脱毛症の診療には、トリコスコピーを活用しています

2016年12月22日

当院には脱毛症の患者様も多く来院されます。

脱毛症といっても・・いろいろな病気があります。

代表的なのは、円形脱毛症男性型脱毛症がありますが、脱毛症にはそれ以外にも多くの病気があるので、見ただけではよく分からなかったりします。

そこで当院では、脱毛症の患者様には必ずダーモスコープ(本来はホクロやメラノーマの鑑別に使う器具)を当てて毛の状態を確認します。このことを「トリコスコピー」と通称、呼んでいます。IMG_2761

患者様には、「単に見えないから拡大しているだけでは?」と思われがちですが、「円形脱毛の異常毛をみて診断を確実にするために当てている」と思ってください。

円形脱毛症の異常毛とは何でしょう?

円形脱毛症は免疫細胞による毛の炎症が実際には起きている状態IMG_0670なのですが、それによって異常毛になるといわれています。いわゆる「切れ毛」というものです。

右図は円形脱毛症の患者様の毛の状態ですが、「切れ毛」(毛が途中で異常に切れている)や「黄色点」(円形脱毛症に特異所見ではないが、円形脱毛でもみられる)がみえます。

そしてトリコスコピーの大きな利点は、診断だけではなくて病勢把握も参考にします。通院してる方でも、よくダーモスコープを当てているのはこのためなんです。

 

こちらは、トリコチロマニア(抜毛癖)です。IMG_0673

髪をいじる癖があって無理やりむしりとってしまって抜け毛になる子供に多い病気です。断裂毛と、ちょっとカールした毛があったりしますが、こんな感じや問診から疑ったりしています。

 

最後は男性型脱毛症のトリコスコピーです。IMG_0671

診断と病勢把握が一挙にできるので、こちらも欠かせません。

 

当院では診断と効果判定には欠かせないツールとしていつも活用しています。