虫刺されが多くなっています。早めの受診を。

2023年06月12日

虫刺されは市販のぬり薬で応急処置という方が多いと思います。しかし、特に子供の場合、虫刺され後をいつまでもかゆがり、もり上がりや赤みが長期間残ることがよくあります。ひどくなる前に早めに受診をすることが大事です。

 

 

子供の虫刺されについて

虫刺されの中で多いのが蚊でしょう。特に子供の場合は蚊にさされた後、いつまでも痒がったり、強い赤みと膨らみが長時間続くこともあります。また、刺された直後ではなく後から腫れてくるので、刺された記憶がないことがあります。大人の虫さされとは随分と違うので、親御さんが非常に心配して病院に来られる方が多いです。

でも心配はありません。子供はまだ蚊に刺された経験があまりないので、蚊に対するアレルギー反応は遅い反応が中心です(刺されて1日後になって腫れて症状が長引く)。そして大人のように虫刺された経験が増えると、早い反応のみが出る(刺された直後にすぐ腫れて1日にもたたずに消えてしまう)という経過をたどります。

また子供の虫刺されは掻くと傷になり、その傷からとびひが発生することもあります。またしつこく掻くと痒疹といって硬いブツブツが続く慢性湿疹になることもあり、こうなるとさらに痒みは続き治りにくくなってしまいます。ゆえに、子供の虫刺されは市販の塗り薬で応急処置という方も多いですが、病院に来て適切な外用や内服を行うなど悪化する前に早めに治療をすることが肝要です。たかが虫刺されと思わず受診をおすすめします。

また、虫に刺されて腫れていなくてもすぐに副腎皮質ステロイドを外用すると、「虫刺され部位に長期間痒みが続く」という症状が起こりにくくなるということを御存知でしょうか? 刺されたことが分かっている場合の豆知識です。

 

(関連項目)

刺すアリのお話 ・・オオハリアリについて~虫刺されシリーズ①

ブヨ刺症  ・・虫刺されシリーズ②

毛虫皮膚炎について ・・チャドクガによる皮膚炎について

マダニについて ・・マダニに刺されたら洗浄・切開除去が必要です

動物刺傷から生じる食物アレルギーの話題

皮膚線維腫(虫刺されの痕になることがある)

 

(2021年6月20日更新)