マスクによる皮膚トラブルが増えています

2020年12月06日

コロナ禍の中、新型コロナウイルス対策としてマスクの長時間着用は、多くの方が行っていると思います。

最近、そのマスクの皮膚トラブルが多いです。今回は、その「マスク皮膚炎」のお話です。

マスクをしていると、マスクの中は湿度が保たれて乾燥症状が良くなるので皮膚炎が少なくなるのではないか、と思っていましたが、最近の話では、湿度が上がりすぎると皮膚のバリア機能が破壊されて、逆に肌荒れになりやすくなることがいわれています。

そして、その肌荒れは、いろいろなかたちで症状として出てきます

1、一つは、「接触皮膚炎」。いわゆるかぶれです。バリア機能が破壊されると容易にいろいろな刺激で湿疹が出てきやすくなるのです。マスクが擦れた時に生じる物理的刺激も一因になっていると思います。

2、もう一つは、「にきび」。最近では、通称「マスクネ」(マスクとアクネ(にきびのこと)を組み合わせた造語)とも呼ばれることもあるようです。「皮膚のバリア機能破壊による乾燥症状」はにきびのできやすい環境ではありますが、調べると「高湿度に伴う細菌の増殖」「マスクで擦れることによる物理的刺激」「コロナ禍に伴う社会的状況による精神的ストレス」などが悪化原因になっているみたいな話もあります。

 

接触皮膚炎」はステロイド外用薬、「にきび」は抗菌薬、BPO製剤 等と治療は異なるので、肌荒れでお困りの方は皮膚科を受診してください。

そして、マスクの中は高湿度による皮膚バリア機能の破壊に伴う乾燥症状が強くなりやすいので、こまめに保湿をすると肌荒れの予防になると思います。保湿剤についてを参考にしてください。

新型コロナウイルスの蔓延が心配な世の中ですが、早く鎮静化することを願っています。