デュピクセントについて

2022年01月17日

★静岡市駿河区「いのうえ皮ふ科」のアトピー性皮膚炎の治療薬(デュピクセント)を解説した専用ページです。★

 

デュピクセント概要

デュピクセント」(デュピルマブ)は、アトピー性皮膚炎の注射の治療薬です。生物学的製剤という新しいタイプの薬です。

15歳以上の方が適応です。

また、適応条件として既存の治療で効果が不十分な方(具体的には、ステロイドなどの外用をしっかり塗っているが効果が得られない方ステロイド外用薬の副作用で十分な外用治療ができない方)とあり、当院ではそのような方に行います。

当院では15歳~50歳前後でアトピー性皮膚炎の中等症以上の方に行うことが多いです

 

効果・作用点について

アトピー性皮膚炎は、Th2細胞から分泌されるIL-4、IL-5、IL-13、IL-31などのサイトカインによって、皮膚の炎症や痒み・バリア機能の破壊を引き起こし、その結果として発症すると考えられています。デュピルマブはIL-4、IL-13というサイトカインの働きを直接抑えることで、Th2細胞による炎症を抑制するタイプの薬となります。

また、アトピー性皮膚炎の理論には、「皮膚バリア機能異常」「痒み」「Th2(ヘルパーT細胞)の炎症」の3つが深く関わっています。IL-4、IL-13というサイトカインはTh2(ヘルパーT細胞)の炎症だけでなく、「皮膚バリア機能異常」「痒み」にも直接または間接的にも影響していることが分かってきました。

そのため、デュピルマブは「皮膚バリア機能異常」や「痒み」に対しても抑制的に働き、改善する効果があるとされています。

 

※(用語解説)皮膚バリア機能の異常:皮膚の表面が壊れている状態です。この状態では、外部からの刺激を受けやすくなり皮膚炎を起こしやすくなります。アトピー性皮膚炎ではそのような状態になっています。

 

薬の特徴について

この薬の特徴は効果も強いことはもちろんですが、「効果が早く出る薬」です。また、発疹だけでなく難治性の痒みにも強く効果を発揮します。

また、安全性も高いため長く使いやすいお薬であるという特徴から、寛解維持(良くなった状態を維持する)にも良い薬となっています。

デュピクセントを使い続けると、血液検査で測られるアレルギーの指標であるIgEが下がり続けるということが分かっており、体質改善も期待されています。

 

治療の実際

初回開始日のみ2本を皮下注射します。その後は2週間に1回 1本を皮下注射します。在宅自己注射(自分で家で注射することが可能)が可能な薬です。

注射と言っても、そんなに難しくはありません。ペン型をいう新しい注射器を使うことにより誰でも簡便に自分で注射ができるようになりました。

当院では、最初の2回は院内で注射を行います。その後は院外処方を行い気軽に自宅で注射をすることが可能となります。

(※病状によってはしばらく院内で注射していきます。心配な方は、院内で注射継続も可能です。

保険適応ですが、薬品が高いため、高額な治療です(3割負担でも1本約2万円)。ただし、高額療養費制度付加給付制度という制度を使うと自己負担額が軽減されることもあります。

また、高校生の方は静岡市では市のこども医療も使える制度があり、この治療の場合も適用が可能です。大学生になるまでに治療しておくということも良いでしょう。

興味のある方はご相談ください。

 

(関連項目)

当院のアトピー性皮膚炎の診療について(アトピー性皮膚炎基本ページ)

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021 雑感