口唇ヘルペス(単純ヘルペス)について、PITという「再発に備える治療法」について
2022年08月07日
★静岡市駿河区「いのうえ皮ふ科」の 口唇ヘルペス(単純ヘルペス) のページです★
「ヘルペス」には2種類あります(医学的にはヘルペスウイルスは8種類あります。)。一般的には「単純ヘルペス」(単純疱疹)と帯状疱疹ですが、このページでは単純ヘルペスについて簡単に解説を加えます。皮膚科では、2つともとてもメジャーな病気です。
口唇ヘルペス(単純ヘルペス)
単純ヘルペスは単純ヘルペスウイルスによる皮膚感染症です。むずむず・ピリピリした感じの違和感を伴って小さな水ぶくれが集まった形態の発疹が特徴です。発生場所は口唇が多いですが、顔、鼻孔、臀部、性器などもあります。口唇に多いので口唇にできた場合は「口唇ヘルペス」ともいわれます。再発が多く風邪をひいた時にも出やすいので「熱の華」「風邪の華」ともいわれます。
皮膚科に受診をして、正確な診断を受けましょう。治療、生活指導も重要です。
①アトピー性皮膚炎合併例(カポジ水痘様発疹症:広範囲に症状が広がる状態を別名で言う)や、初感染(特に性器ヘルペス)は症状が悪化しやすいので注意が必要です。
★写真はアトピー性皮膚炎に合併したカポジ水痘様発疹症です。アトピーが急に悪化したときは感染症に注意します。とびひとの合併もあります。。
②治療は抗ウイルス剤外用や内服です。ウイルスの増殖を抑えることによって症状が軽く治療期間も短くなるとされています。
PITという治療法について
PIT(patient initiated therapy) という治療法があります。発症初期に短期間服用することにより症状を悪化させることなく、済ませることが可能です。症状が出て、慌てて受診することが困難な方も多いと思いますので、そんな方にオススメの治療法です。
方法としては、あらかじめ薬を処方しておいて、症状が出たとき(むずむず・ピリピリと感じた時点)に患者様ご自身が判断して服用を開始します。薬を使用したら、また時間のある時に診察していただければ、新たに薬を処方するというかたちになります。
このPITで処方できるのは、ファムビル錠(先発品)に限られます。
再発性の単純ヘルペスを繰り返ししており、同じ病型の再発頻度が3回以上の方は可能です。
その他、ヘルペスの症状をしっかりと自覚できる方であることが必要です。
このように「再発に備える治療法」に興味のある方はご相談ください。
★関連項目
・帯状疱疹
(2022年8月7日更新)