新規にきびの治療薬 ベピオウォッシュゲル についての話題

2025年07月03日

にきび治療で活躍している「ベピオ」につきまして、ゲル・ローションに次ぐ新しい剤型が登場します。成分は「過酸化ベンゾイル」です。

このベピオは、当院が開院してから、一緒に歩んできた、とても重要な薬です。。。

当院では、急性炎症期(赤にきびがたくさんあり強い時期)は「デュアック」。少し落ち着いて維持期(赤ニキビがひいて白ニキビや微小面皰をメインにして継続して治療する時期)は「ベピオ」としており、今回はそのベピオの薬のお話です。。。

 

ベピオウォッシュゲルの詳細について

現在の基本剤型は「ベピオローション」ですが、新たなニーズに対応した薬が出ました。

それが、今回の「ウォッシュゲル」となります。2025年6月発売になりました。

開発者の話によると、①添加物によって短時間に皮膚に入る技術 ②界面活性剤を工夫しHarmowell washable technologyによる洗浄と安定の両立 ③界面活性剤の配合による粘度安定技術 を駆使して作られたようです。

この薬・・使い方が独特です。洗顔時に使用するのです。SCT(ショートコンタクトセラピー) 5~10分つけておいて、洗い流すという使い方の薬です。アメリカでは、こういう薬はあったそうですが、日本では初めてです。

 

SCT(ショートコンタクトセラピー)で、「本当に効果があるの?」というところですが、ちゃんとマルホさん(製薬会社)がデータをとっています。

こちらは、炎症性にきび すなわち 赤ニキビの減少率です。(顔)

赤ニキビの減少率は、6週(1か月半)以降で有意差が認められています。

 

 

そして、次に 非炎症性にきび  まあ、 コメド(面皰) すなわち 白ニキビの減少率です。(顔)

白ニキビの減少率は、赤ニキビよりゆっくりですが、10週(2か月半)以降で有意差が認められています。

※ コメド(面皰)について→こちら

 

 

このようにしっかり、ちゃんとデータ取れています。そして、ローションと比較しても同等に近い勢いのある効果が出ているということになります。

これって、濃度が2.5%(ゲル・ローション)→5%(ウォッシュゲル)と高くなっているので、SCT(ショートコンタクトセラピー)でも効果が出るんでしょうね。

 

これによって、何か良いかっていうと、

朝の洗顔時にも治療がしやすい設計になっています。(夜でもOKですが・・)

ベピオ特有の脱色作用  すなわち、衣服や髪の毛の色落ちを常に気にしなくてよい

 

今でも、ベピオローションが基本的ですが、このように新たなニーズに対応できるので、人によってはこっちが合う人もいるでしょう。

 

ここのデータではないですが、体も同様に効果があります。お風呂やシャワー時に使用します。

 

急性炎症期に使う「デュアック」はゲルしかないですので、ここは変わらないと思います。。

これから、使っていきたい薬です。

興味のある方は「ウォッシュゲル」と診察時にお話しください。

 

(関連項目)

過酸化ベンゾイルについて

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