アトピー性皮膚炎の外用剤におけるコントロールについて:リアクティブとプロアクティブ

2017年12月31日

アトピー性皮膚炎の外用剤におけるコントロールについて(リアクティブとプロアクティブ)ついて説明しています。

治る」の定義は難しいですが、まず第1の目標は「塗りながらも良い状態を維持していくこと」をすすめています。当院ではそのために必ずステロイドプロトピック(免疫抑制薬)外用は使用します。外用剤の使い方や副作用も含めて当院では説明し納得した上で処方をしています。

ところで、最近の話で治療法としてリアクティブ療法プロアクティブ療法という方法があります。(※クリックすると拡大します)

A:リアクティブ療法  症状が悪化したら外用しておさえる

B:プロアクティブ療法 症状はないがおさまっても定期的に外用して悪化を防ぐ

Bは症状がおさまっている時でも皮膚には軽い皮膚炎があって、それを放置していると湿疹が急に悪化するので「先を見越した行動をとる」という新しい理論です。具体的には症状がおちついたようにみえても完全に中止するのではなく、1日おき・2日おき・1週間おきと徐々に間隔あけをして外用は続ける感じで行います。当院ではTARC(皮膚炎の重症度の目安となる血液検査)(保険適応あり)も参考にしながら外用間隔を決める手法もとっています。ただし、外用のストレスがある方や多忙な方もいますし、悪化の繰り返す頻度もありますので、それぞれ個人にあわせた塗り方を適宜、指導しています。

人それぞれ、たとえ同じ症状であっても治療目標が違います。その目標に向かって、ストレスなく治療を継続していく方法を、まさにオーダーメイドで考えていきます。当院では画一的な治療ではなく、幅を持って選択枝も用意しながら誰もが満足して治療ができることを推進しています。どうそ、ご相談ください。

(関連項目)

TARCの検査について~アトピー

★外用薬以外の治療について

・湿疹のコントロールとして、抗ヒスタミン薬内服光線治療もあります。光線治療はステロイド外用でもコントロールできないほどの重症アトピー性皮膚炎に保険治療があります。通院が定期的に可能な方にすすめています。

・痒みが強い重症アトピー性皮膚炎では、高価になりますが免疫抑制剤の内服が使われることもあります。条件として外用剤をやってもおさまらないことが条件であり、ステロイド外用に変わる治療ではありません。

★ 当院では全身キャビン型の紫外線治療機器を導入しています。是非、ご相談ください。

紫外線治療についてQ&A

 

(アトピー関連記事について)

アトピー性皮膚炎(メインページ)

乳児湿疹・乳児アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の原因について

アトピー性皮膚炎の合併症について

当院のアトピー性皮膚炎の治療方針について

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016