デュピクセントのいろんな効果の話
2025年06月08日
当院ではデュピクセントを使用している方がたくさんいます。
診療していて、気づいた点・面白い点をピックアップしてみます。
総IgEの低下
デュピクセントを使用ているアトピー性皮膚炎の患者さんには、よくTARCやIgEを血液検査で計測しています。
デュピクセント使用後、経過で検査してみると・・・・TARCはもちろん下がるのですが、IgEが下がっているのです。
IgEというと・・ もともとのアレルギーだし、外用治療だけでは、TARCは下がってもIgEはそう下がりません。
デュピクセントでアレルギー自体も改善してしまうのでは・・、と思ったり。。
デュピクセントは実は「喘息」「特発性蕁麻疹」にも使われていますので、納得はできます。。
サノフィ・リジェネロンさん(デュピクセント販売メーカー)のデータも納得で、載せておきます。
バリア機能の改善
デュピクセント使用している人の肌触りをみているのですが、何か変化があります。
最初の1年は、まず、赤みやブツブツは先にひくのですが、乾燥は残ります。乾燥はやっぱり難しいのかなって思ったり。POEM(患者さんが症状を自分で評価するツール)でみても、「乾燥肌」の項目だけは点数高めだったり。乾燥肌の改善だけが遅れている感じでした。まあ、炎症を抑える薬がメインの働きだから仕方ないと思っていました。
でも、さらに2年以上とか使っている人をみると「つるっとした肌」になっているんです。むしろ普通の人よりも「ツルツル」になった人もみました。これは、すごい・・と思いました。
実は、サノフィ・リジェネロンさん(デュピクセント販売メーカー)も新しい試験データを出していたので、載せておきます。
皮膚バリア機能におけるTEWL(水分蒸散量)をみたものです。バリアが壊れていると水分が逃げるので、逃げる水分の量が減ればバリアが改善していることになります。
まあ、こういう話はすべてに当てはまるか、というと、そうでもないところもありますが。。 データは参考程度で上げてみました(試験概要は書ききれないので省略しています)
印象としては、「炎症」がおさまっても、長期使用するといろいろなメリットがありそうっていう感じがあります。もちろん、経済面との兼ね合いもありますが、長く使っていくのもオススメです。
デュピクセントはとても面白い薬です。また、いろいろ気づいたらコラムで上げていきます。
(2025年6月8日記載)
(関連項目)