★「にきび」治療に力を入れています★
2023年01月03日
★静岡市駿河区「いのうえ皮ふ科」の「にきび」のページです★
当院ではニキビ(吹き出物)の治療に積極的に取り組んでいます。日本では健康保険で治療ができます。
当院では多くのにきびの患者様にご相談いただいております。
★駿河区 静岡市に在住の方は、当院にてご相談ください。
当院は、にきび治療の理論に基づいた治療アルゴリズムを作り治療を行っています。安定してきた場合の対処、刺激が強く出た場合などのあらゆる状況に応じて、薬の使い方を変えたり、いろいろな薬を組み合わせて行っています。このように薬の処方だけでなく使い方に重きをおいた治療を行って、患者様の目標を定めてそれに向かって治療を行っています。是非ご相談ください。
★にきび治療のよくある質問を別ページにまとめました。是非、ご参考になさってください。
(にきび関連コラム)→にきびの治療~今、考えていること
※上記のコラムもご覧ください。
にきびの病態から考える治療法とは?
「にきびは病気という感じでないし、本当に健康保険で治療できるの?」と思われる方もいると思いますが、健康保険で治療ができます!! 逆に放置すると一部は瘢痕になってしまうので一大事です。
「にきび」の病態ですが、「毛穴が詰まって中でにきび菌が増殖して炎症を起こしている。」という状態です。
治療機序は大きく分けて2つです。
① ニキビ菌を減少させて炎症をしずめる
→抗菌薬(内服、外用)、過酸化ベンゾイル(外用)
② 毛穴の詰まりを取り除いて、ニキビ菌を毛の外に出しやすくする
→過酸化ベンゾイル(外用)、アダパレン(外用)
ただ注意したいのは・・・今のところにきび痕を治す治療はありません。(※ディフェリンを長く半年から1年以上使っていた方に、盛り上がった軽傷のにきび痕まで治ってしまう方がいます。)
ニキビ治療といっても、「ここまでの時期にどれだけ治したい」や、「次から次に出現するニキビを予防していきたい」など人によって治療の目的が異なることも多いです。当院ではこれらを組み合わせてオーダーメイドの治療を行っています。→当院の基本方針:オーダーメイド治療
にきびの薬について
過酸化ベンゾイルについて
新たに2015年、過酸化ベンゾイル製品(BPO)が、海外ではおなじみの薬でしたが、日本でやっと保険適応になりました(商品名:ベピオ)。にきびの治療に選択肢が増えました。抗生物質ではないが別の働きでにきび菌を殺菌します。抗生物質でないので耐性菌ができにくいという点も大きなポイントです。また、殺菌効果のみならずピーリング作用で毛穴のつまりをとる効果もあわせもっていますので、赤にきびはもちろんのこと、白ニキビ(面皰)にも効果を発揮します。にきび治療で大いに活躍している薬です。
最近では、「白ニキビ(面皰)からも一部が瘢痕になる」「白ニキビ(面皰)も実際は炎症を起こしている」という事実も分かってきました。赤にきびだけ治すのであれば抗生物質の外用薬だけで良いのですが、是非、白にきびを治すことも考えて、この成分の入った薬での治療をすすめています。
(関連項目)
アダパレンについて
本邦では2008年保険適応の外用にきび薬です(商品名:ディフェリン)。
作用は過酸化ベンゾイル(BPO)とは別の働きにはなりますが、「毛穴の詰まりを除去してにきび菌を毛の外に排出しやすくします。」白ニキビ(面皰)に効果を発揮します。よって、炎症性の赤ニキビになるのを防ぐという高い予防効果を発揮する薬となります。ただし効果発現には時間を要しますので、継続して使用することが大切です。
また アダパレンには、軽症のにきび痕にも期待できます。そういう意味でも長期使用をすすめたい薬です。
合剤の使用について
2つの成分の合剤の薬も販売されています。
①過酸化ベンゾイルとクリンダマイシン(抗生剤)の合剤(商品名:デュアック)
過酸化ベンゾイルと抗生剤の合剤なので、強い赤にきびに使用すると早く炎症をおさえます。いわゆる「目立つ赤ニキビに対して即効性が期待できる」くすりです。
②過酸化ベンゾイルとアダパレンの合剤(商品名:エピデュオ)
過酸化ベンゾイルとアダパレンの合剤なので、両方の成分で毛穴のつまりを強力に改善します。刺激はその分、出やすいですが、難治性のにきびに対しても、安定した状態に移行し維持療法を行う場合に対しても、よく使用しています。
当院ではこのような薬も上手に使って、目標に向かって治療を考えていきます。
過酸化ベンゾイル、アダパレン、合剤の刺激対策への取り組み
過酸化ベンゾイル、アダパレン、及びその成分が配合された合剤は、とても優れた薬ではありますが一方で欠点もあります。
・一つは乾燥しやすくなることです。(※ただし、当院では保湿剤を併用する方法をとっているため、あまり気にせず治療を継続できている方が多いのでご安心ください。)
・もう一つは、一時的に不快感(ヒリヒリ感)、落屑(皮膚が細かくはがれる)、紅斑(赤くなる)、そう痒感(かゆみ)がかなり高い確率であらわれるという副反応です。しかし、それはずっとではなくて、ほとんど使いはじめから2週間以内にあらわれ、その後やわらいでくるといわれています。逆にこのような副反応があった方が実は効果が出ている兆候と考えますので、生活に支障が出るほどでなければ続けていただいています。
このような特殊な外用薬ですので、効果的な外用量、また刺激感の発生や乾燥があっても継続してもらう方法についてはいくつかのコツがあります。その一つが短時間塗布療法です。結構、この方法を使うと刺激が和らぐ方がいます。少しコツがいりますので、一度、当院を受診してください。その他、保湿剤の使用、お試し塗布範囲の指定、塗布の間隔開けなど、個々人の肌の状態で説明しています。この説明で多くの方が治療を続けられています。
抗生物質外用薬
抗生物質外用薬には、商品名:ゼビアックスをはじめ、商品名:ダラシン、アクアチム が代表的です。特にゼビアックスは1日1回外用で、耐性菌が少ない薬です。
(写真)ゼビアックス
にきびの漢方治療について
ところで、ニキビには漢方治療がとても良い適応です。特に大人ニキビにはすすめています。標治(にきびの炎症をおさえる)の薬だけでなく、本治(体質を改善する)にも対応する薬も効果的です。「血の偏り」(お血)の改善や、にきびによく合併する便秘に対応した漢方も良いです。エキス剤だけでなく錠剤もあります。ご相談ください。
うまくやればにきびは保険治療でコントロールできることがほとんどです。当院ではにきびの治療に積極的に取り組んでいますので、ご相談ください。
(関連項目)
(2023年2月16日更新)